養蜂フォト

オオスズメバチによる被害と対策の記録(2021.9.5~10.5)

2021年9月5日にオオスズメバチの急襲を受け西荻窪善福寺地区にいる7群のセイヨウミツバチのうち1群を失いました。以降、多数のオオスズメバチによる連日の捕食行動により、残る群のミツバチも多数(各群で数100匹)が死滅しました。

防護ネットを設置するなどして防戦し、一月が経過した10月上旬、養蜂園へのスズメバチのまとまった飛来と攻撃はほぼ終息。なんとか被害を最小限に食い止めセイヨウミツバチを守ることができました。

今回は当地における6年の養蜂歴のなかでオオスズメバチによるもっとも苛烈な攻撃でした。またセイヨウミツバチの群を失う初めてのケースとなりました。
今後のセイヨウミツバチ飼養の参考と地域の生物相の報告として、被害の概要と施した対策について画像ベースで記しておきます。

発見は午後2時。おそらくオオスズメバチ襲撃から1時間以上経っていたもよう。
巣箱の前面や下に、噛み殺されたセイヨウミツバチの死骸が多量にあった。農園の防災井戸からホースを延長し、巣箱に大量の放水をしてオオスズメバチを追い払った。
巣箱に設置していたスズメバチ捕殺器(トラップ)6個の中に数匹のコガタスズメバチを含む合計180匹のオオスズメバチがかかっていた。
飛来したオオスズメバチの平均的な大きさの個体。体長は約4cm強。
当初はナイロン製のネットで巣箱を覆うことで防護できたが、2~3日で網を食い破り侵入されるようになった。
侵入したオオスズメバチに対しセイヨウミツバチが防戦し、またも犠牲が出た。
防護ネットとは別にネズミ捕り用の粘着シートを設置すると1日でこのような状態に。
スズメバチを撃ち落とす際、しばしば地面にラケットが当たるので多くが折れ曲がり使えなくなった。

蜂場のパトロールを朝昼夕と行い、飛来するオオスズメバチをバトミントン・ラケットで撃ち落としました。
雨の日の翌日、正午から3時頃の飛来がもっとも多く、フォアハンドで打ちそのままバックハンドで打つことも。
9月中に打殺したオオスズメバチは平均して日に20匹ほど。毎日多数の飛来があり一人で応戦するにはけっこう危険な状態が続きました。

けっきょく、金属製のワイヤーをビニールで被覆した「亀甲ネット」で巣箱を覆った。
網目をくぐって侵入したスズメバチ。

亀甲ネットで巣箱を覆うとオオスズメバチの集中攻撃はかなりトーンダウンしました。
目合い(網目幅)は10mmなので小さいオオスズメバチやコガタスズメバチはくぐり抜けて侵入できます。
しかし、この場合中に入ったオオスズメバチはしきりに網目を抜けて外に逃げたがるのでセイヨウミツバチとのバトルはあまりなく、被害はそれほどありませんでした。

9月5日の襲撃初日からおよそ一月で捕殺したオオスズメバチの数は概算で1,000匹に近いと思われます。